ミクちゃんが亡くなった。
去年の6月にことだった。血液の癌だった。
ミクちゃんはこのブログに何度も登場していて、実はこのブログのアクセス数一番は彼が主人公の記事である。
中高の同級生で、特に中学のときに名簿がちかくてそのときに班が一緒になって、そのグループで仲良くなった。学生時代は私のまわりの友達がミクちゃんを好きな子が多くて、仲が良かった私は仲介したり、メアドを教えたりしていた。不器用なんだけど優しくて、なかなかモテていた方だと思う。私のタイプではなかったから、私自身が彼に対して特別な感情を抱くことはなかったけど、ずっと気づけば生活の中には彼はいた。卒業後もちょくちょくグループで体育センターにバドミントンしに行ったりして、進学先がバラバラでも連絡を取り続けていた。大学生になって彼が住んでいた東京に遊びに行ったときは一緒にディズニーにも行ったしアパートにも泊まらせてくれた。地元に帰れば必ずいつメンで飲みに行っていたし、グループラインでも就職先が決まったことや失恋したことを報告してみんなでアドバイスしていたりした。
就職してからは、みんな忙しくなってきて、連絡も帰省するときくらいしかとらなくなった。
ミクちゃんの仕事は、バイト時代から大変そうで、いつも返信が夜中だったり、朝方だったりしていた。
2018年の年末、いつメンのグループラインで集まる計画を立てようとしたけど、みんな予定が合わなくて初めて年末にみんなと会わなかった。ミクちゃんからは「なんともいえない」と返信がきていた。シフトがわからないんだろうなと思い、みんなも地元に帰る時期が違うとかだったので、気にしなかった。
でも、それが最後だった。
ずっと、信じられなかった。癌であることは、知らなかった。家族と親友一人しか知らなかった。
ミクちゃんが亡くなったと知って、訳もわからないまま、すぐに会いに行った。
もう動かなくなった彼の顔を見て全身が震えた。
そこにいるはずのミクちゃんが、生きていないだけで、どこを探しても、もういなかった。
あの日も、この日も雨だった。
雨が降るたびにミクちゃんを感じている。
雨が降らない晴れの日はミクちゃんがいないようで胸が騒ぐ。
何も言わずに、どこに行ってしまったの?
祈りは届くのでしょうか。
死のその先を初めて考えた。
また会えたなら、抱きしめたい。
だから、会える場所に、いてね。